Scale Model Choppersのエンジンモデルは、「3Dプリント製」と聞いてイメージされるものとは少し違うかもしれません。プリンターから出てきたものをそのまま販売しているわけではなく、1台1台がデータ準備・造形・手仕上げという複数の工程を経て完成しています。今回は、普段お見せすることのない制作の裏側をご紹介します。
Step 1|データ準備 — 造形できるデータに磨き上げる

ベースとなる3Dデータは、海外のクリエイターが制作した高精細データを購入して使用しています。ただし、購入したデータはそのままでは美しく・丈夫に造形できません。ここからが最初の仕事です。
1/6スケールで出力すると薄くなりすぎて破損しやすい部分には、あらかじめ厚みを足します。また、データ内部に空洞があると、プリント時に未硬化のレジンが空洞内に残り、後から造形物を割ってしまうことがあるため、空洞はあらかじめ埋めておきます。こうした造形のための編集作業を1点ずつ行うことが、後の工程すべての土台になります。
Step 2|光造形3Dプリント

造形にはレジン光造形方式の3Dプリンター(ELEGOO Saturn 4 Ultra)を使用しています。光造形はFDM(フィラメント積層)方式と比べて積層痕が非常に細かく、冷却フィンのエッジやボルト頭のような微細なディテールをシャープに出せるのが特長です。エンジンは複数のパーツに分割して造形し、それぞれに最適な向き・サポート配置を検討します。
Step 3|洗浄・二次硬化・サポート除去
プリント直後のパーツは未硬化のレジンをまとっているため、洗浄と二次硬化(UV照射)を行い、素材本来の強度を出します。その後、サポート材を除去し、接点の跡をひとつずつ処理していきます。地味ですが、仕上がりを左右する大事な下ごしらえです。
Step 4|塗装・手仕上げ — 一番時間をかける工程
ここからが本当の意味での「ものづくり」です。下地を整え、パーツごとに塗り分けていきます。金属の質感、年月を経たヤレ感、オイルのにじみ——実車のエンジンが持つ表情は、筆とエアブラシによる手作業でしか再現できません。
特にReal Agingシリーズでは、実際に何十年も走ってきた車両のような経年変化を1台ずつ描き込んでいくため、同じモデルでも二つとして同じ表情にはなりません。ここが3Dプリントの均一さと手仕上げの一点物らしさが交差する、SMCの核となる工程です。
Step 5|組み立て・検品
仕上がったパーツを組み上げ、ディテールの欠け・塗装ムラ・ガタつきがないかを最終確認して完成です。写真撮影を経て、みなさまのもとへ発送されます。
おわりに — あなたの愛車も、この工程で
この同じ工程で、お客様の愛車のエンジンを1/6スケールで再現するカスタムオーダーも承っています。「自分のエンジンを机の上に置きたい」という方は、お問い合わせページまたはInstagram DMからお気軽にご相談ください。
制作途中の様子はInstagram(@scale_model_choppers)でも発信しています。
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